
ある製品を使ってケガをしてしまった、悪質商法による被害に遭った、「ぼったくり」に遭ったという時、あなたならどうしますか?当サイトは不用品回収業者の口コミを募集し、評判を発信する記事シリーズがありますが、そこには日々、「ぼったくられた」という内容の口コミが寄せられます。消費者センターによる活動は多岐にわたりますが、本記事では当サイトの読者の皆さんのニーズに合わせて「ぼったくり業者」の被害への対策として消費者センターの紹介をしていきたいと思います。
消費者センターとは
消費者センターとは、
地方公共団体が設置する行政機関で、事業者に対する消費者の苦情や相談のほかに、消費者啓発活動や生活に関する情報提供などを行う。
Wikipedia
というように記されています。事業者(メーカーや業者)と消費者の間に立ち、消費生活全般に関する相談を専門の相談員が受け付け、公正な立場でサポートをしてくれます。商品やサービスに関する苦情、被害があった際、そのメーカー、業者との間でトラブルが解決できなかった時の頼みの綱ともいうべき存在です。
【いきなり結論】消費者センターは頼りになるの?
いきなり結論ですが、「消費者センターに相談すれば解決する」というケースはあまり多くありません。(泣)身も蓋もない結論になってしまいましたが、「この記事を読み進めればぼったくられたお金が返ってくる!」「万事解決する!」と思って読み進められてしまうと、この記事、サイトへのクレームに繋がりかねません…(._.)。ただし、返金対応してもらえる可能性も後の章でお話ししています。
では何のためにこの記事があるのかと言えば、消費者センターに相談することの意味が全くないわけではないからです。皆さんの問い合わせによって、私たち消費者の利益につながることが全くないわけではないからです。後の章で事例を紹介しますが、私たち消費者の声が届いて、悪質業者の営業を停止させることができるかも知れない。そのために知っておくことには確実に意味がある消費者センターとぼったくられた後の行動について読み進めていただけたらと思います。
相談したらどうなるの?
ではこの消費者センター、どうやって相談することができ、どんな対応をしてくれるのでしょう。
どうやって相談する?

- ダイヤル
- 188
消費者生活センターには、全国どこからでも電話でアクセスできる、「消費者ホットライン」という相談窓口が設けられています。この電話では基本的に各都道府県ごとに設置された消費者生活センターに繋がりますが、土日祝日などで閉館している場合でも、国の国民生活センターに繋がり、相談自体はすることができます。
全国共通で、3桁の電話番号 188から窓口にアクセスできます。そこから、各地方の消費者生活センターの窓口へ案内されます。身近な消費者生活センターに繋がったら、ご自身のトラブルや被害について無料で相談することができます。
どんな対応をしてくれるの?
消費者ホットラインでトラブルの相談をしたら、消費生活相談員、消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタントなどの資格を持った相談員がサポートを行ってくれます。このサポートとは具体的には、トラブルの相手である事業者との交渉を取りつけてくれたり、話が大きい場合は弁護士や福祉関連など、適切な相談機関を紹介し、相談のお手伝いを行ってくれたりといったものです。
事例:消費者センターと行政の対応
消費者センターがどのようなサポートを行ってくれるのかということは分かりましたが、では実際に相談したらどうなるのか…今度は事例を紹介しながら流れを見ていきたいと思います。
結局泣き寝入り?ウレタンニスの噴射トラブル
事例として最初に紹介するのは、不用品回収に関してではありませんが、ウレタンニスのメーカーとのトラブルで消費者センターに相談したという一件です。→【体験談】商品の問題で被害を受けた!「国民生活センター」に相談&情報提供した話【商品事故】
DIY好きのカタミチさんは、自宅の作業場でニスの缶を開けようとしたところ、説明書にある通りフタを抑えながら開けたにもかかわらず、中身が勢いよく噴射してしまったそうです。飛び散ったニスは衣服や家具にこびり付き、服は破棄を余儀なくされ、家具などは拭き取れない部分が残ってしまいました。
そこでメーカーに問い合わせたところ、「商品に瑕疵はない」という返答で、取り合ってもらえなかったそうです。次なる策としてカタミチさんは消費者センターに相談しました。
先ほど紹介した消費者ホットラインに電話して相談したところ、次のような解決策を提案されたそうです。
- 無料の司法書士相談窓口
- メーカーへ書面による請願
- 弁護士へ相談
消費者センター自体は助けてくれない?
ポイントとなるのは、消費者センター自体が直接問題の解決をしてくれるわけではなく、適切な相談相手を提案し、繋げてくれるというサポートしかしてくれないということなんです。弁護士を立てるほど大きな話じゃないし、手間もかかるし…。また、メーカーへ請願を送ったとしても、賠償を受け取れるというケースは稀です。
結局カタミチさんは泣き寝入りのような形になってしまったそうです。
悪徳業者に行政指導?消費者の声は届く
先の事例では結局泣き寝入りのような結果になってしまいました。ああやっぱり相談しても意味ないんだ…。そんなことはありません。当サイトにこんな興味深いコメントが舞い込んできました。
東京のとある不用品回収業者に寄せられた口コミ
上のコメントは当サイトで紹介した不用品回収業者に寄せられた口コミの一つです。当サイトでも非常に評価が低く、低評価の口コミが多い業者なのですが、赤いラインに注目してみると、「行政指導が入った」という内容が見られます。これこそが消費者センターに相談をしてみる「意味」です。
消費者センターは消費者庁が仕切っている行政法人ですから、消費者とのトラブルが多い(=苦情が多く寄せられる)事業者のもとには、その営業方法について調査・指導が入るんです。このコメントから分かることは、当該業者に関する相談・苦情が多く寄せられたため、行政が動いたということに他なりません。そしてその先に、「行政処分」という次のステップに進むかも知れません。
行政指導、行政処分って?
では、行政指導、行政処分とはどういうものなのでしょうか。
行政指導
ある事業者のの事業内容に何らかの違法性がみられた場合に、管轄の行政から助言・指導・勧告が言い渡されることを言います。助言とは、業者の事業形態について、必要となる事項を進言することです。助言の次になされるのが「指導」で、業者の事業形態について、具体的な目的や方向性を示し教え導くというものです。助言よりも強度は高いそうです。勧告とは、業者の事業形態について、具体的な行動をとるよう説き勧めること。指導よりもさらに強度は高い。まとめると、
助言→指導→勧告
の順に行われる、いわゆる行政からのイエローカードのようなものです。
行政処分

法律に基づいて、公権力の発動として業務停止命令や許可取消処分が行われます。不用品回収業者の場合は廃棄物処理法に則って行われるようです。不服がある場合は裁判によって不当性を争うことができますが、不用品回収業界で見受けられる事例は、業者に明確な非があることがほとんどです。業務停止命令とは、一定の期間、業務の一部、または全部を停止する命令です。許可取消処分とは、産業廃棄物収集運搬業許可、産業廃棄物処分業許可の取り消しです。不用品回収業者はこれらの許可がなければ運営ができないので、行政処分とは行政からのレッドカードと考えて良いでしょう。
悪質なパソコン修理事業者が業務停止命令を受けた事例
2019年12月、東京都の消費者庁は悪質なパソコン修理業者に対して 、業務の一部停止命令、違反行為を是正するための指示並びに代表取締役に対し業務禁止命令を行いました。
東京くらしweb
事業者は、作業費と部品代のみでパソコン修理ができるとウェブ上でうたいながら、消費者が事業者にパソコンを送付後に、有料の修理コースの詳細を初めて明らかにしたり、修理の内容に納得していない消費者に、裁判になるなどと威迫していました。
ウェブ上での宣伝に偽りがあり、消費者に誤認させる表示をしている業者、悪質なセールスを行っている業者に行政処分が下されたという事例です。今回の事例はパソコン修理業者でしたが、同じような手口で同じような消費者トラブルを起こしている業者は不用品回収業界にも山ほどあります。
このように私たちの声が届いた結果、悪質業者が営業停止を命じられることがあるかも知れない。もっと言えば、あなたが被害を受けたその業者が、先ほど言った行政指導をすでに受けていあ場合、「消費者センターに相談するよ」という意思を示せば、次のステップである行政処分を恐れて、賠償・返金といった対応をしてくれないとも限らないではありませんか。
ぼったくりですよね。消費者センターに相談します。
まとめ:相談する意味はある、相談するかはあなた次第
今回は業者・メーカーとのトラブルがあった際に、消費者センターに相談してみるという一つの方策を紹介してきました。あなたが受けた「ぼったくり」に関して、消費者センターに相談すれば「返金」対応してもらえるというケースは、残念ながらあまり多くありません。しかし、消費者センターに相談を持ちかけることで、その業者に行政指導、ひいては行政処分が下されて、営業ができなくなるかも知れない。イエローカードを出させることができるかも知れない。自分と同じように「ぼったくり」の被害に遭う人が減るかも知れない。
そのような結果をモチベーションに行動することができるなら、悪質業者のサービスについて、目一杯告げ口してやりましょう。悪質業者の撲滅を願って!それでは。
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